コンデンサー/ダイナミック/リボン ・ 指向性 ・ オンマイク/オフマイク ・ 録る前の準備 ・ ヘッドホンモニター
3つの種類
コンデンサー
振動板が軽く、高域の繊細な成分や息づかい、子音の立ち上がりまで拾う。ボーカル録りの基本。多くはファンタム電源(+48V)で動く(真空管マイクは専用電源)。
| Neumann U87 Ai | スタジオの基準になっている定番。旧U87より出力が高く、プリのゲインを稼がずに済むぶんノイズ面で有利。 |
|---|---|
| AKG C414 | 多指向切替つきの万能機。ボーカルから楽器まで守備範囲が広い。 |
| Neumann U47 | 50〜60年代のスタジオを支えた真空管マイク。太さの中に、意外なほどハイファイな解像感がある。 |
| Neumann U67 | U47より荒さと色気があり、ビンテージらしい質感。 |
| AKG C12 | 高域に伸びがありつつ、真空管らしい密度もある。 |
ダイナミック
構造がシンプルで頑丈。中域に芯があり、大音量にも強い。叫ぶようなパートや、荒い質感が欲しいときに。
| Shure SM7B | 放送・ボーカルの定番。出力が小さいので、ゲインに余裕のあるプリと組み合わせる。 |
|---|---|
| Shure SM57 | 楽器にもボーカルにも使える、現場の標準機。 |
| Sennheiser MD421 | タムやギターアンプ、ライブでの定番。 |
| Electro-Voice RE20 | 近接効果が出にくい構造(Variable-D)。ベースやキックにも。 |
リボン
薄い金属箔(リボン)が振動する方式。高域がなだらかに落ち、甘く丸い質感になる。耳に痛い声や硬い音源をなじませたいときに。強い風圧に弱く、ファンタム電源の誤印加で壊れる機種もあるので扱いは慎重に。
| RCA 44系 | リボンマイクの代表格。双指向。 |
|---|
※ 歴史的にはコンデンサー方式(1910年代)のほうが、リボン方式(1930年代に普及)より先。
指向性
正面を拾い、背面を抑える。ボーカル録りの基本。
カーディオイドより鋭く、真後ろにわずかな感度を持つ。周りの音をもっと減らしたいときに。
前と後ろを同じ感度で拾い、真横はほぼ拾わない。向かい合わせのコーラスに。リボンマイクの多くはこれ。
全方向を均等に拾う。部屋の響きごと録りたいときに。近接効果がほとんど出ない。
距離(オンマイク/オフマイク)
指向性マイクは音源に近づくほど低域が持ち上がる(近接効果)。太さを足す武器にもなるが、膨らみすぎたら少し離すか、近接効果の出にくいマイクを選ぶ。
オンマイク
- 部屋の響きが入りにくく、輪郭がはっきりする。
- 近接効果で低域が太くなる。
- 空間は後からリバーブで足す前提。ポップスの基本で、The Beatles『Revolver』もオンマイクで録られている。
オフマイク
- 高域が少し落ち、部屋の空気が乗る。
- 遠くに聴かせたいときは「リバーブを足す・高域を落とす・音量を下げる」の3点で距離感を作る。
- ジャズやクラシックは部屋ごと録るジャンル。最低でも1m以上離す。(昔のジャズにはオンマイクの発想がなく、60年代ごろから増えた)
※ マイクとの距離を離すほど、マイクの価格差が音に如実に出る。
※ 昔はサ行対策として「さしすせそ」を「しゃしゅしょ」寄りに発音させていた。
録る前の準備
- 衣擦れの出る服(シャカシャカした素材)は脱いでもらう。
- アクセサリーの音も、あえて残したいなら外さなくていい。
- ポップガードはマイクから10cmほど離して固定する。
ヘッドホンモニター
- クリックは小さめに。大きいとヘッドホンから漏れて、マイクにかぶる原因にもなる。
- モニターにだけコンプをかけると、歌に集中しやすくなる人もいる。録り音には影響しない。
- リバーブは気持ちよくても、かけすぎるとパフォーマンスが落ちることがある。