Jinmenusagi『ALXVE』の音を測る

作品データ ・ ラウドネスとピーク ・ アルバム内の揃い方 ・ 帯域バランス ・ マスタリングで変わったこと ・ 帯域ごとの変化 ・ ピークの抑え方 ・ シングル版との比較 ・ 計測方法

作品データ

作品Jinmenusagi『ALXVE』(全14曲)
リリース2025年11月27日
ミックスOzzy Otaki
マスタリングMike Bozzi
計測した音源マスターWAVと、マスタリング用に渡したミックスWAV(いずれも24bit/48kHz)

ラウドネスとピーク

No.曲IntegratedShort-term 最大True PeakPLRLRA
01NEET-7.9-5.7-0.17.94.0
02Justin (feat. DJ 1an)-8.1-6.4+0.08.13.6
03BASHAUMA (feat. 鎮座DOPENESS)-8.4-6.90.08.46.2
04オービス (feat. ANARCHY)-8.3-6.1+0.58.84.3
05Aruku-8.2-5.3+0.48.66.2
06BAKI (feat. 仙人掌)-7.6-6.3+0.07.72.6
07Shiawase (feat. C6ix)-8.3-7.1+0.48.74.0
08Ni De Ai (feat. D3adStock)-9.1-6.2+1.410.56.3
09うそさ-8.1-5.9+0.68.78.8
10今じゃない (feat. 般若)-8.4-6.8+0.28.52.9
11冨山と山本 (feat. ACE COOL)-8.1-6.0+0.88.94.0
12吉光と花郎 (feat. DJ 1an)-8.5-6.3+0.48.84.8
13新しい友達いらない-8.2-6.9+0.38.43.7
14KO KO DA-6.9-5.5+0.67.52.8

単位:Integrated・Short-termはLUFS、True PeakはdBTP、PLR・LRAはLU(dB)。Sample PeakはNi De Aiのみ 0.0 dBFS、ほかの13曲は -0.5 dBFS。

-10-8-6-4-20+20 dB01NEET02Justin03BASHAUMA04オービス05Aruku06BAKI07Shiawase08Ni De Ai09うそさ10今じゃない11冨山と山本12吉光と花郎13新しい友達いらない14KO KO DA
LOUDNESS / TRUE PEAK14曲のラウドネスとピーク
黒がIntegrated(LUFS)、朱色がTrue Peak(dBTP)。間の線の長さがPLR。

アルバム内の揃い方

  • Integratedは -6.9〜-9.1 LUFS。曲ごとの差は2.2 LUあり、音量はそろえ切っていない。
  • 一番大きいのはKO KO DA(-6.9)、一番小さいのはNi De Ai(-9.1)。
  • Sample PeakはNi De Aiだけ 0.0 dBFSで、ほかの13曲は -0.5 dBFSでそろっている。
  • True Peakは -0.05〜+1.44 dBTP。+1 dBTPを超えているのはNi De Ai(+1.4)だけで、ほかの13曲は -0.1〜+0.8に収まっている。
  • PLRは 7.5〜10.5 dB。LRAは 2.6(BAKI)〜8.8(うそさ)。

帯域バランス

31.5631252505001k2k4k8k16k01NEET02Justin03BASHAUMA04オービス05Aruku06BAKI07Shiawase08Ni De Ai09うそさ10今じゃない11冨山と山本12吉光と花郎13新しい友達いらない14KO KO DAHz(オクターブ帯)
SPECTRUM帯域ごとのエネルギーの配分
濃いほどその帯域のエネルギーが大きい。朱色の枠が、その曲で一番大きい帯域。
  • 14曲中12曲で、一番エネルギーが大きいのは63 Hz帯。Shiawaseは31.5 Hz帯、NEETは125 Hz帯。
  • 16 kHz帯は、一番大きい帯域から21〜29 dB下。

Bozziのマスタリングで変わったこと

No.曲ミックスマスター上げ幅True PeakPLR
01NEET-17.5-7.9+9.6-3.4 → -0.114.1 → 7.9
02Justin-20.0-8.1+12.0-5.7 → +0.014.4 → 8.1
03BASHAUMA-17.9-8.4+9.4-3.8 → 0.014.0 → 8.4
04オービス-18.5-8.3+10.3-4.6 → +0.513.9 → 8.8
05Aruku-20.1-8.2+11.8-4.8 → +0.415.2 → 8.6
06BAKI-17.9-7.6+10.2-3.7 → +0.014.2 → 7.7
07Shiawase-18.6-8.3+10.4-3.9 → +0.414.8 → 8.7
08Ni De Ai-19.3-9.1+10.2-3.9 → +1.415.3 → 10.5
09うそさ-19.0-8.1+10.8-3.0 → +0.616.0 → 8.7
10今じゃない-18.6-8.4+10.2-3.9 → +0.214.7 → 8.5
11冨山と山本-19.5-8.1+11.5-4.6 → +0.814.9 → 8.9
12吉光と花郎-18.7-8.5+10.2-4.7 → +0.414.0 → 8.8
13新しい友達いらない-18.7-8.2+10.5-4.5 → +0.314.2 → 8.4
14KO KO DA-17.7-6.9+10.8-3.6 → +0.614.1 → 7.5

単位:ミックス・マスターはIntegrated(LUFS)、上げ幅はLU、True PeakはdBTP、PLRはdB。

  • 音量は各曲9.5〜12.0 LU上がっている。ミックスの段階で2.5 LUあった曲ごとの差は、マスターでも2.2 LU残っている。
  • True Peakはミックスでは -3.0〜-5.7 dBTP、マスターでは -0.05〜+1.44 dBTP。天井ちょうどで止まっているサンプルは、ミックスではほぼ0、マスターでは1曲あたり19,468〜282,859。
  • PLRは4.8〜7.3 dB小さくなっている。一番小さくなったのはうそさ(-7.3)。LRAは0〜2.7 LU小さくなり、大きく縮んだのはBASHAUMAとShiawase(-2.7)。

帯域ごとの変化

ミックスとマスターを同じ音量にそろえたうえで、1/3オクターブごとの平均の大きさを比べた。プラスはマスターで強調された帯域、マイナスは抑えられた帯域。

-2-10+1+231.5631252505001k2k4k8k16kHz(1/3オクターブ)dB
EQ CHANGEマスター − ミックス(14曲)
朱色が14曲の平均、灰色が各曲。
  • 31.5 Hz〜16 kHzでは、全曲±1.5 dB以内。
  • 14曲平均では、63〜100 Hzが-0.2〜-0.3 dB。200 Hzから上は高域ほど上がり、16〜20 kHzで+0.7 dB。
  • 変化が一番大きいのはNEET。31.5〜50 Hzが-1.1〜-1.5 dBで、63 Hzだけ+0.8 dB。
  • 高域の持ち上げが一番大きいのはオービス(6.3〜16 kHzで+1.0〜1.1 dB)。63 Hzは-1.0 dB。
  • BAKIと新しい友達いらないは、ほぼそのまま(±0.4 dB)。
01NEET02Justin03BASHAUMA04オービス05Aruku06BAKI07Shiawase08Ni De Ai09うそさ10今じゃない11冨山と山本12吉光と花郎631k8k13新しい友達いらない631k8k14KO KO DA631k8k縦軸 ±1.5 dB / 横軸 25 Hz〜20 kHz
EQ CHANGE / TRACK曲ごとのマスター − ミックス
線より上が強調、下が抑えられた帯域。

どこのピークが抑えられたか

約0.17秒ごとに帯域の大きさを測り、その帯域の「大きい瞬間(上位1%)」と「ふだん(中央値)」の差が、ミックスからマスターでどれだけ縮んだかを見た。

0.0-0.5-1.0-1.531.5631252505001k2k4k8k16kHz(1/3オクターブ)
PEAK CHANGE帯域ごとのピークの縮み(14曲平均)
下に長いほど、その帯域の大きい瞬間が抑えられている。朱色は-0.6 dBより大きく縮んだ帯域。
  • ピークが抑えられているのは250 Hzより下。0.7〜1.6 dB縮み、一番大きいのは25 Hzと63 Hz(-1.6)。
  • 500 Hzより上はほとんど変わらない(±0.4 dB)。

シングル版との比較

ArukuとBAKIは、アルバムの前にシングルとして出ていて、シングル版はEVOEL STUDIOでマスタリングしている。シングル版とアルバム版で、もとのミックスが同じとは限らない。

曲マスターIntegratedPLRTrue PeakLRA
Arukuシングル版-8.58.5−0.015.8
アルバム版(Bozzi)-8.28.6+0.366.2
BAKIシングル版-8.48.4−0.022.8
アルバム版(Bozzi)-7.67.7+0.032.6

単位:IntegratedはLUFS、True PeakはdBTP、PLR・LRAはLU(dB)。

  • シングル版はどちらもTrue Peakが0 dBTP以下(-0.01〜-0.02)。アルバム版はAruku +0.4、BAKI +0.0 dBTP。
  • 音量はBAKIのアルバム版が0.8 LU大きく、Arukuはほぼ同じ(0.3 LU差)。

※ 計測方法:マスターWAVとミックスWAVを、同じ方法でITU-R BS.1770の方式(K-weighting・ゲート)で計算。True Peakは8倍に補間した値。帯域はオクターブ帯ごとのエネルギーを、全体を0 dBとした相対値で出している。ミックスとマスターの帯域比較は、全体を同じ音量にそろえた長期平均スペクトルの差。使うメーターによって、小数点以下が少し違うことがある。